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少年は、少しだけ後悔しました。でもすぐに「これで良いんだ」と自分に言い聞かせました。
少年は少女に背を向け
「病気が治って良かったね。これからは周りの人たちと同じ、世界を見て、鳥の歌声や、川のせせらぎを聞いて生きていけるんだ。元気でね。」
そういって、部屋を出ました。
数日後、少年は旅に出ました。少女の事を思うと、側にいる事が辛かったからです。
そして、もうニ度とここには戻らないと決心しました。
大きな大きな原っぱに、大きな大きな夕日が輝いていました。
少年の影は長く、長く伸び、そしてだんだんと消えていきました。
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