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そして死に神は闇の中へと消えていったのです。
少女は我に帰り、少年の方に振り向きました。
そこには、周りの人間とも、自分の顔とも違う、全く別の生き物のような少年がいました。
少年は、石を溶かす為に自分の生命力を使ってしまい、顔は目が大きくなり、
鼻は石を溶かす匂いと鍋から出る蒸気で見えないほどに小さく、全ての髪の毛は剥げ落ち、
耳ですら、その存在を隠されるほどに頬は大きく腫れ上がってしまっていたのです。
少女は、目をそらしました。少年の顔を見つめる事が出来なかったのです。
少年は、初めて自分の変化に気付いたのです。
そして、神様の言った言葉を思い出しました。
『目が見え、音が聞こえるようになった少女に会うのはやめなさい。きっと後悔することになるだろう。』
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