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少年が煮続けた石はちょうど一週間たった日に溶け出しました。少しづつ形を崩しながら。硬い、とても硬い卵のカラをやぶるように。
お湯の中にかすかな泡がたち、その姿をお湯の中に消していったのです。
少年はそのスープををもって、急いで少女の住む家に向かいました。
少女の家の人は少年の姿を見て驚きました。全く知らない人間が来たと思ったのです。
少年は、全てを話し、少女に会わせてくれと頼みました。
でも、時既に遅く、少女は息を引き取った後だったのです。
少年は、泣きながら立ち尽くしました。「なんて事だ。僕が間に合わなかったばかりに・・・。」
少年の目から涙が止めどなく落ちました。
「僕がした事は無駄だったんだ。初めて君の力になれると思ったのに。」
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