|
少年は、神様から光る石を受け取りました。そして、力強くうなずいたのです。神様は最後にこう言いました。
「目が見え、音が聞こえるようになった少女に会うのはやめなさい。きっと後悔することになるだろう。」
少年は、神様が消えた後から、一週間眠る事も食事を取る事もせず、毎日鍋で石を煮続けました。少女の命が助かる事を祈りながら。
必死に鍋の中の石を煮続けました。鍋からのぼる蒸気が少年の目を焼こうとも、
息が苦しくなる程蒸気が少年を襲っても。
ただひたすら、少女の病気が治る事を祈りながら。少女の側にいる死に神が離れていく事を祈りながら。
やがて少年の目はまぶたを閉じる事も忘れ、少年の耳はネズミが騒ぐ音すらも気にならなくなっていきました。
そして、少年の姿も今迄とは全く別の姿に変わっていってしまったのです。
|