かわいいコックさんの部屋
かわいいコックさんの部屋 --コックさん誕生奇譚3-- 
 
 
かわいいコックさん  少年は神様に泣きながら言いました。
 「あの娘は、生まれてから、この世界の物を見ていません。
 鳥の声、川のせせらぎさえも聞いていません。楽しい事を知らずに死んでしまうのはかわいそうです。」
 神様は少し考えてこう言いました。
 「お前がこの先の人生の一部を捨てる覚悟があれば、あの娘を救えるだろう。しかし、それは、お前に死を与えてしまうかもしれない。」
 少年はうなずきました。自分は楽しい生活を送って来た。その楽しい生活をあの娘にも知ってもらえるならなんでもする。そう思っていました。
 神様はその少年の少女を思う姿を見て言いました。
 「あの娘の命は後一週間しかもたないだろう。それ迄にこの石を鍋でにて全てを溶かしなさい。全てが溶けきった時、そのスープはどんな病気も治す薬となる。」
かわいいコックさん誕生奇譚
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