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そして少年は、ピエロの格好をして、少女が住む洋館の前で踊りました。でも、踊っている間、少年は少女の顔を恥ずかしくて見られませんでした。
少年は少女が自分を見て、微笑んでくれる様を想像しながら踊りました。
しかし、少女は少年の姿に気付く事はなかったのです。
数日後、少女は窓際に現れなくなりました。
少年が、お屋敷の人に聞いてみると、あの少女は生まれた時から目も見えず、
声も聞こえない少女だったのです。しかも最近は病気で寝たきり。起き上がる事もできないとの事でした。
少年は、初めて少女の不運を知り、涙しました。そして神様に祈り続けました。一週間が過ぎた時、少年の前に神様が現れてこう言いました。
「あの少女の事は諦めなさい。すでに、死神がついている。」
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